新型コロナ感染症、インフルエンザには東北大学病院や北里大学病院など漢方で有名な病院は、
小柴胡湯加桔梗石膏と葛根湯を合わせる使い方が増えているようです。
これは、柴葛解肌湯(さいかつげきとう)という漢方薬を参考にして組み合わされた処方です。

 

コロナの影響で漢方薬の需要が高まった為に、2023年12月末に葛根湯がツムラより出荷規制になりました。
ドラッグストアなどで市販されている葛根湯に比べて、医療用の葛根湯は濃度が濃く効き目も良いですが、
その良質な葛根湯エキス製剤が現在入手困難になっているためその代替薬を考えないといけない状況です。

そこで、今回はその代替薬に相当する柴葛解肌湯(さいかつげきとう)についてご紹介します。

・柴葛解肌湯がインフルエンザウィルスに対するエビデンス
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07859/

・細野漢方診療所の記事
https://www.hosonokampo.jp/blog/2022/12/13/コロナ感染症やインフルエンザに今話題の葛根湯/

柴葛解肌湯エキス細粒G「コタロー」
1日分(3包):495円(税込)
当店のご契約している薬局では1日分から小分け販売しております。

 

〜〜〜目次〜〜〜
1)どんな効果があるのかな?
①激しいカゼ症状に使う
②発症初期から中期まで長く使える
2)薬の剤型と正しい使い方
3)用法用量
〈用法・用量に関連する注意〉
〈注意事項〉
4)まとめ

1)どんな効果があるのかな?

 

①激しいカゼ症状に使う

コロナやインフルエンザのように、強い悪寒(ゾクゾク)、関節痛、高熱など症状の激しい感冒様症状に使います。

【柴葛解肌湯 エキス細粒G「コタロー」の効能効果】

体力中等度以上で、激しい感冒様症状を示すものの次の諸症:
発熱、悪寒、頭痛、四肢の痛み、全身倦怠、口渇、食欲不振、はきけ、鼻腔乾燥、不眠

 

②発症初期から中期まで長く使える

日本で使われている柴葛解肌湯は漢方の大家、浅田宗伯によって作られたと言われています。
(中国でも同じ名前の薬がありますが内容が異なります)
葛根湯に小柴胡湯と石膏を加え、人参と大棗を抜いた内容になっています。
柴葛解肌湯=葛根湯+小柴胡湯+石膏-人参-大棗

葛根湯は初期症状(悪寒・汗なし)に、小柴胡湯は数日経ってこじれた症状(食欲不振・発熱等)に使います。
本来はそれぞれ単独で使いますが、新型コロナやインフルエンザのような強力なウイルスは
体の表面から奥まで一気に入り込みやすく、気づいたときにはすでに高熱が出て葛根湯では間に合わないことがあります。
そこで小柴胡湯を一緒に配合することで、発症初期から中期までの症状に対応できるようにしています。

また、石膏は体の中にこもった熱を取り除き体力の消耗を防ぎます。
気を補う人参と大棗が除かれているのは、短期勝負のため不要であることや、
膩滞性(ねばねば)による病邪の排出を妨げないようにするためと考えられます。

・葛根湯との違いは柴葛解肌湯の方が使用時期のカバー範囲が広い
・新型コロナのような強いウイルスは葛根湯や麻黄湯では間に合わないことが多いため柴葛解肌湯がおすすめ

2)薬の剤型と正しい使い方

飲みやすい粉薬=エキス顆粒です。
そのまま白湯で服用してもお湯に溶かして服用しても構いません。
子供(生後3ヶ月未満除く)から大人まで幅広い方にお使いいただけます。
長期間の服用はせず症状が治まったら中止します。
基本的に即効性がありますので、5日程度服用しても変化が無ければ合っていない可能性があります。

3)用法用量

年齢 1回量 1日服用回数
大人(15歳以上) 1包または2.5g 3回
15歳未満7歳以上 2/3包または1.7g
7歳未満4歳以上 1/2包または1.3g
4歳未満2歳以上 1/3包または0.8g
2歳未満 1/4包または0.6g

〈用法・用量に関連する注意〉

(1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(2)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させてください。

〈注意事項〉

次のようなことに注意してください。
・ 生後3ヵ月未満の乳児は使用できません
・症状が激しくない場合、体力が落ちている人、胃腸の弱い人、汗がたくさん出ている人は避ける方が良いです
・交感神経を興奮させる麻黄が入っているため、高血圧や心臓病などをお持ちの方は薬剤師等に相談しましょう
メーカーの説明書はこちらからご覧ください

4)まとめ

柴葛解肌湯エキス細粒G「コタロー」添付文書:
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1301000302_02_A.pdf

インフルエンザや新型コロナのように悪寒から発熱まで急激に症状が進む病気の場合は、
葛根湯や麻黄湯より柴葛解肌湯の方が対応しやすいです。
とくに子供や若年者ではこのような強い症状が出やすいので合う人が多いと考えられます。
柴葛解肌湯は市販薬しかありません。
柴葛解肌湯は、小太郎漢方製薬から出ているものが濃度が高くおすすめです。
分包タイプで長持ちしますので、いざという時のために常備薬としておすすめの漢方薬の一つです。
少量だけで良い、少し試したいという方のために、
当店のご契約している薬局では1日分から小分け販売しております。
ご案内をご希望される方はホームページよりお問い合わせください。