北海道東川町へ移住して2024年9月でちょうど4年が経ちました。
ちょうど4年前できたばかりの住宅地にポツンと一軒家だった当店。
本当に病気で困っている人たちを助けてあげようという思いで引っ越してきました。
月日が流れて毎日の忙しさで、
・本当に困っている人って一体誰なのか?
・自分たちがやっている治療とは一体何なのか?
・どうしてこんなことを始めようと思ったのか?
と創業当初の思いを忘れてしまうこともあります。
でも、ここでもう一度その思いに立ち帰り、
当店が考えている治療の基本的な考え方について、
もう一度整理してみようと思い記事にしてみました。
もし今現在
・当店の治療に興味をお持ちの方
・当店の治療に興味を持っていて当店のような治療院を作ってみたい方
・これからセラピストを志そうとしている方
・医療人や治療家を目指そうとしている方
は、参考になると思いますので、
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
〜〜〜〜目次〜〜〜〜
1、治療の基本的な考え方=日常を取り戻す
2、漬物ビジネスとは一体何か?その問題点と対策
3、通院ビジネスとは一体何か?その問題点と対策
4、本当に困っている人とは誰のことなのか?その原因と対策
5、まとめ)4年間の足跡
1、治療の基本的な考え方=日常を取り戻す
当院の治療の基本的な考え方は、”治療を通して日常を取り戻す”ことです。
日常とは何かというと、
毎日朝起きて、ご飯を食べて、仕事をして、人の役に立って帰宅して、気持ちよく1日を終えて、夜ゆっくり寝て翌朝を迎える
という人間たる日常だと考えています。
したがって、
・一生毎日薬やサプリメントを飲む
・一生毎週のように病院や治療院へ通う
という考え方ではありません。
最後はきちんと卒業をしていただいて、日常生活へ戻っていってもらうことが基本です。
そのために必要な事は食事と運動です。
この2つの土台がしっかりと理解していることで、初めて治療というステージを加えることができます。
そして、この3つの土台をしっかり作った上に初めて”心と体の健康”というステージが成り立ちます。
その後、いずれ治療のステージを外してあげると、運動と食事のステージだけで”心と体の健康”を支えていける状態へ持っていくことができます。
とても大切なポイントは、
”人為的に加えた治療というステージは、責任を持って最終的に抜き取ってあげるまでの作業”
を当店では、”治療”と呼んでいます。
治療の基本的な考え方=日常を取り戻す=余計な部分を引き算してシンプルな生活へ導いてあげること
最初は、足し算かもしれませんが、最終的には引き算をして、元の健康な状態へ導いてあげます。
どんな治療も指導も、”引き算”が何よりも大切である、と考えています。
2、漬物ビジネスとは一体何か?その問題点と対策
漬物ビジネスとは一体何か。
薬剤師さんなら毎日お目にかかっている薬漬けの人たち。
一度薬を飲ませて一生やめられなくして漬物状態へ持ち込みます。
そして、薬で出た副作用で次から次へと薬を増やしていくシステム。
最終形態が、薬物を抜くと健康が崩れ落ちる仕組みを僕は漬物ビジネスと呼んでいます。
僕はこの漬物ビジネスを何年も見てきました。
でも、このビジネスをやっているのは病院だけと批判する人がいますが、実態はそうではありません。
サプリメントや健康食品の販売の規制がゆるい日本ではサプリメント漬けビジネス。
ホメオパシーやフラワーエッセンスのようなレメディーを飲ませるレメディ漬けビジネス。
エッセンシャルオイルのオイルを購入させるオイル漬けビジネス。
ドラッグストアの健康食品にはまってしまう健康食品漬けビジネス。
さまざまな漬物ビジネスがありますが、
何も知らずに漬物ビジネスへ加担している人も居れば、何も知らないで漬物ビジネスの被害者になっている人もいます。
どちらも悪気があってなっているのではなく、知らず知らずのうちに”ビジネスの喰い物”になっている人がたくさんいます。
当店にもそういう人は何人も訪れますし、その”ビジネスの喰い物”されて身体を壊している人は後を絶ちません。
このビジネスの問題点は、食事と運動のステージをきちんと説明しないで治療を始めることにあります。
人の手で加えた治療というステージは、我々有資格者であってもこのステージを抜く作業はとても慎重に行います。
もちろんですが、何も知らない一般の人が抜ける訳もありませんので一生漬物状態へ陥ります。
このような後先考えずに人為的に加えていくことがこのビジネスの問題点です。
解決方法は、運動と食事のステージを丁寧に教えてあげることです。
そして、
治療というステージを加えた人間が、そのステージを抜き取ってあげるまで責任を持って対応する事が大切です。
3、通院ビジネスとは一体何か?その問題点と対策
通院ビジネスとは、際限なく何度も通院してもらうようなビジネススタイルのことです。
我々の治療院業界では最も多いパターンのビジネスの一つです。
来院頻度を上げて、その手数料を稼ぐビジネススタイルです。
例えば、
・病院のリハビリや整骨院へ何度も通院するが一向に改善しないので通院し続ける
・整体院へ毎週通っていて行った時はいいが、すぐ身体が元に戻ってしまうので通院し続ける以外に選択肢がない
・美容健康サロンのような美容や健康を維持する目的で何度も通院させる
などのように様々なビジネススタイルがあります。
もちろん治療の過程でどうしても通院頻度をあげていただく事はあります。
ですが、一生毎月、毎週のように終わりが見えないような通院状態へ患者さんを誘導します。
そして健康や美容の維持のために治療というステージの一つである通院を抜くことができない状態へ陥っていまします。
こんなビジネスへはまり込んでいる人も当店では後を絶ちません。
この治療の問題点は、食事と治療と運動の3つのステージを三位一体でサポートしないことにあります。
これは、食事と治療と運動は全て連動していることを深く理解する必要があります。
実は、運動機能というのは内臓状態によって機能が上がったり、下がったりします。
ですので食事指導を行うことは運動機能の向上へ直結します。
したがって、食事というステージをしっかりサポートしないまま治療のステージを抜くと、
ダルマ崩しのごとく”心と体の健康”というステージが崩れ落ちてしまいます。
当店では何度も繰り返し丁寧に食事の大切さについて指導します。
時として口うるさく聞こえる食事指導は、
・内臓の状態を丁寧に治療して、運動機能が落ちないようにして病気の再発を防ぐこと
へ繋げるための大切な治療の一環としています。
4、本当に困っている人とは誰のことなのか?その原因と対策
4年前、本当に困っている人のために治療院を作ろうと思って当鍼灸院を建てました。
では、その本当に困っている人とは誰のことなのか?
という問いは、治療院を設計する上で重要なコンセプトでした。
そこで僕らが行き着いた着地点は、
”医療や健康のビジネスの喰い物にされている人”
という点でした。
東洋医学の世界を勉強してきた我々は、
・複雑に薬やサプリを飲んでいる人が簡単な漢方薬でよくなっていく
・何度も整形や整体へ通院している人が集中的な鍼治療ですぐに回復していく
などそんな世界を見てきました。
この視点から病気を複雑化しているのは、”ビジネスの喰い物にされている”からという仮説を立てました。
時間やお金や健康の自由を削がれて人間的な日常生活を送れていない原因となっているのではないだろうか。
その対策を人里離れた場所から
”コッソリと教えてあげて、何気ない日常を取り戻してもらう”
ということを考えて、これが治療院設計のコンセプトとなりました。
一言で言うと、”教育”が当店の治療コンセプトです。
大々的にお伝えすれば他人のビジネスを妨害にも繋がります。
もちろんビジネスをしている人全員が悪気があってやっている訳ではありません。
喜んでもらおうと思ったのに知らず知らずの内に健康被害を出している人もいます。
意図的にやっている人も中にはいるだろうけど、もちろん全員ではありません。
ですので、公に攻撃をするのではなく、
健康に対する正しい知識を教えていくスタイルで皆さんに少しずつ理解していただきたい、
という考えて治療院を設計していこうと考えました。
この”教育”という治療コンセプトなので、
・旭川駅から車で20分
・旭川空港から車で10分
・東川の街中から車で10分
・コンビニもスーパーもない土地
・バスも地下鉄もほとんどなく不便な場所
・車以外の交通手段はない
という人里離れた場所が、当店が考える治療コンセプトの最もベストな位置であると考えました。
むしろその方が治療がしやすいな、と考え抜いて、この場所にひっそりたたずむ小さな治療院を作りました。
5、まとめ)4年間の足跡
病気を複雑化しているのは、”ビジネスの喰い物にされている”という仮説を立ててこの4年間検証してきました。
実際には鍼灸院に”健康相談室 ヂアローク”という名前で健康相談室を設置して一人一人丁寧にお話をお伺いしました。
食事の内容から今の病気に至るまで時系列を一つ一つ確認してそれらの問題点を丁寧に洗い出していきました。
その洗い出した問題点を適切な指導を行うと、それだけで1〜2時間程度はかかりますので、とても病院の3分治療ではできません。
ただ僕らの話を真剣に受け止めて、真摯に対応していただいた方は自分たちの力だけで自立した暮らしを今も送っています。
”ビジネスの喰い物”から抜け出せた人たちは、少しずつ勉強を重ねて、これから”ビジネスの喰い物”にされていく人たちから救い出してくれる仲間へと成長してくれています。
この少しずつ増えてきた仲間が、私どもにとって何よりも財産になっています。
この多くの仲間とこれからも少しずつ成長してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。