『東洋医学は宗教みたいで嫌です』という人もいれば、
『病院でもらう石油由来の化学物質は絶対に使いたくないです』という人もいます。
皆さん、過去の経験や出会った人との関係などさまざまな理由でこういう極端な意見を持ってしまいます。
もちろん自分の考えを強く太くもつことは大切ですが、対立したり、敵視する方も多いのが現実です。
そこで2025年の最初の記事として、東洋医学や現代医学の歴史的背景について説明することで、
お互いの医学を深く勉強していくキッカケが作れればと思い記事にして見ました。
今現在、
・当店の治療の真髄である東洋医学に興味のある方
・当店で治療を受けてみたいが、どんな事を考えながら施術をしているかを知りたい方
・これから東洋医学の勉強をしてみようと考えている方
・今まさに東洋医学を勉強していてもう一度丁寧に復習してみたい方
は是非最後まで読んでいただけると幸いです。
〜〜〜〜〜目次〜〜〜〜〜
1、日付変更線を中心に考えた東洋と西洋の2つ医療
2、東洋と西洋の2つ医療を分ける中心となっている”現代医療”とは何か?
3、世界各国で悩まされている現代医療が中心の医療スタイル
4、まとめ)医学同士が対立しないため我々にできること
1、日付変更線を中心に考えた東洋と西洋の2つ医療
我々が普段東洋と西洋という分類をするときに思い浮かべるのは一体何か?
この問いの答えは地図ではないでしょうか。
例えば、洋服と和服と言われれば、
・ヨーロッパ=地図上でいう西側諸国で着る服を洋服
・和の国=日本=地図上でいう東側諸国で着る服を和服
と認識しています。
これは日付変更線を境に東と西に分けていることを意味しています。
例えば、洋食と和食と言われれば、
・イタリア、スペイン、フランス=地図上でいう西側諸国で食べている食を洋食
・和の国=日本=地図上でいう東側諸国で食べている食を和食
と認識しています。
では、医学の世界はどうだろうか?
この疑問を解決するには、世界の医学を整理しておく必要性があります。
医学の歴史は、人の健康を支えることで、強大な国や文明を支えてきた歴史があります。
そのうち医学の歴史で最も強く生き残っている4つを紹介します。
・アーユルヴェーダ:世界最古の医学とされています。インドを中心に文明・国を支えたと考えられています。
・中国医学:中国の漢の時代に完成された医学で、日本にも伝えられている医学
・ユナニ医学:アーユルヴェーダとギリシャ医学の融合で、アラビア半島を中心とした都市国家に栄えた医学
・ギリシャ医学(ガレノス医学):ローマ帝国を支え、解剖学を行って世界の医学発展に寄与していた。
どの医学も大きな文明を何百年単位で支えてきた医学なのでほぼ完成した医学であることは間違えないです。
詳細な内容は多くの文献を参照させていただければと思いますが、これらの医学には共通点があります。
・個人を尊重して、一人一人オーダーメイドの治療を施すこと
・医学は人の病に寄り添い続ける事で社会、国家、文明の繁栄につながる考えを持っている
・数値に捉われないで症状や状態の把握を正確に行うことで治療方針を決め施術を施す
・患者を治すのでなく、患者自身が治っていく過程をサポートする
・人が集団生活を行うことで必ず起こる感染症や慢性疾患への対策がしっかり
・道徳観と倫理観をもつ事が高い健康を保つことと人を治療する上で最も大切な考え方
という考え方がどの伝統医学にも共通した考えです。
これらの4つの医学を地図上にまとめ、食事や服のように東洋と西洋に分類すると、
・東洋医学:アーユルヴェーダ、中国医学
・西洋医学:ギリシャ医学
・東洋と西洋の融合した医学:ユナニ医学
となります。
しかし、日本人の多くの人がこの解釈をしていないことにお気づきでしょうか。
『西洋医学とは何ですか?』という質問を一般の人に聞いた時に、『ギリシャ医学(ガレノス医学)の事ですよね』って答える日本人はほぼ0だと思います。
・どうして医学だけは地図上で分ける概念がないのでしょうか。
・『西洋医学は、病院で受ける手術や薬で受けるような医療(=現代医療)です』と答えるのは日本人だけ?
・そもそもその現代医療とは何?伝統医学に分類されていないけど、どのくらい歴史ある医学なの?
・いわゆる現代医療と伝統医療の違いってなんだろ?
そんな疑問を僕なりに調べて、考えをまとめてnoteに記事してみました。
ご興味のある方は是非ご覧ください。

4、まとめ)医学同士が対立しないため我々にできること
さまざまな伝統医学と現代医学はどれも正しい面もありますが、どんな状況でもこの医学が正しいという訳でもありません。
なので、医学の違いで『俺の医学が正しいんだ、あっちへいけ!』という対立して喧嘩したり、足を引っ張りあっても仕方ないのが現実です。
感情論や対立論で話すのではなく、それぞれの医学の解釈や歴史認識を共有することで各々の医学の良さを皆んなで理解しあうことが大切なのではないでしょうか。
各々の医学の良さを理解し、共に使いこなしていくことで患者さんのQOLが上がっていくのであればそれに越したことはないはずです。
そのために我々東洋医学のプロにできることは、東洋医学の歴史を皆さんと丁寧に学び合うことで皆さんと一緒に成長していくことだと考えております。
そんな事を考えながら、戦争真っ只中の2025年という年を皆さんの鍼灸施術や漢方処方を通して感動を与えられるよう日々精進していこうと思います。
今年もどうぞよろしくお願い致します。