流産した場合、当店では丁寧に対応させていただいております。
この対応を疎かにすると流産が習慣化するため、
流産後の対応を丁寧に行うようにしています。
流産をした時は”芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)”という漢方薬をすぐに服用して頂きます。
およそ1週間程度、この漢方薬を服用するとすぐに止血します。
ですが、この漢方薬の煎じ薬でないと効果が発揮されません。
その理由も合わせて、今日はこの”芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)”についてのお話です。
〜目次〜
①急速に出血を止める薬
②煎じ薬でないと効果を示さない理由
③妊娠が分かった時にプレゼントされて喜ばれる漢方薬
①急速に出血を止める薬
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は金匱要略(きんきようりゃく)と古典に掲載されています。
この漢方薬のキーワードは”出血”です。
・出血を、急速にかつ自然に止める作用をもつ生薬
→地黄(じおう)、阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)
・血を補って血液の巡りを改善してくれる生薬
→当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)
以上6つの生薬で芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は構成されます。
これらの要素から
・流産後の出血を急速に抑えて次の出産へ向けての体作りする
という目的で使用する、と古代の書物に書かれています。
これらの作用を応用して、現代の医療現場では、
・婦人科の不正性器出血
・切迫流産の防止
・痔の出血
・潰瘍性大腸炎の止血
などの出血性疾患に利用されています。
②煎じ薬でないと効果を示さない理由
漢方薬には、
・湯液(煎じ薬) ・丸剤 ・散剤 ・エキス剤
の4つの服用剤形があります。
病院で処方される漢方薬はエキス剤のみですが、
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)は煎じ薬でないと求めている効果は得られないです。
その理由は”阿膠(あきょう)”という生薬にあります。
”阿膠(あきょう)”は牛またはロバの膠(にかわ)のことです。
膠(にかわ)とは、成分的にはコラーゲン・タンパク質です。
さらに、工業的には木材の繋ぎ合わせる天然の接着剤として扱われています。
したがって、人体においても膠(にかわ)は、血液の接着=”止血”という効果を示します。
”阿膠(あきょう)”の基となる牛やロバの膠(にかわ)です。
もともと哺乳類の”阿膠(あきょう)”は高価なものでした。
したがって多くの漢方メーカーはコストを抑える目的で、
魚の膠(にかわ)を阿膠(あきょう)として利用しています。
これが、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)の効果を落としてしまう最大の理由です。
既製品のエキス漢方の魚由来”阿膠(あきょう)”は止血効果がとても弱いです。
ですので、牛又はロバ由来”阿膠(あきょう)”を含む漢方薬は煎じ薬をお勧めしています。
実際に当店でも使用経験はありますが、
・産後の出血はよく止まります。
・流産時の出血もよく止まります。
ですので、流産時や産後の貧血などの起こすことなく、
回復がスムーズになり、母体へ負担を最小限に抑えることができます。
*阿膠(あきょう)を含む漢方処方*
・温経湯(うんけいとう)
・黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)
・炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
・猪苓湯(ちょれいとう)
③妊娠が分かった時にプレゼントされて喜ばれる漢方薬
”阿膠(あきょう)”という生薬はとても高価です。
したがって、芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)の煎じ薬は1日分で約1100円前後はします。
通常は約1週間分服用するので、¥7700前後は費用がかかります。
ですが、妊娠したことが分かった時に使う用途が最も多い漢方薬の一つです。
・妊娠中の不正性器出血の即時止血
・流産時した時の出血の即時止血
・習慣性流産の予防
・切迫流産、切迫早産の予防・治療
・出産後に出血の即止血、血の再生の増強
・産後に起こるリスクの大きい病気の予防
など、たくさんの用途があります。
ですので、妊娠発覚時に作り置きしておき、いつでも飲める状態にしておくと便利です。
煎じ薬は、事前に煎じて綺麗に濾して冷蔵庫に保管する少なくとも1年は持ちます。
ですので、すぐに服用できるように冷蔵庫に保管しておくことをお勧めします。
ですが、少し値段が張るので出産でお金がかかる時期の出費は少し大変です。
ですので、家族へのプレゼントとして購入される方もいらっしゃいます。
よもぎ鍼灸院では、
・不妊治療から妊娠中も安全な出産に向けてのサポート
・出産後も二人目不妊、三人目不妊にならないためのサポート
・産後に起こる難治性の疾患の予防のためのサポート
など長い期間サポートできるよう常日頃から日々精進しております。
もし妊娠に不安なことがあれば何なりとご相談ください。