帯状疱疹の患者があとをたたない・・・。

帯状疱疹、梅毒など、あまり急増するはずのない病気が増えています。

下記の記事をご参照ください。
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Herpes zoster after COVID vaccination
日本医事新報道社:水野泰孝 (グローバルヘルスケアクリニック院長)の記事
Herpes zoster following inactivated COVID-19 vaccine: A coexistence or coincidence?
Herpes zoster after COVID‐19 vaccination—Can the vaccine reactivate latent zoster virus?

当店が帯状疱疹に対してどうやってサポートしているか?をご紹介致します。
帯状疱疹は帯状疱疹ワクチンが発売されておりますが、事前に打ってもその後の神経痛が出る人はいます。
帯状疱疹による神経痛は西洋医学の薬物治療ではほとんど太刀打ちできないことを東洋医学を行なっている医師や薬剤師が一番よくわかっており、痛みに関する東洋医学系の勉強会ではよく話題にあがります。

鍼灸と漢方をベースにした治療の方が西洋医学の薬物治療よりもずっと迅速に効果を発揮するもの一つが帯状疱疹による神経痛です。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス3型)というウィルスが原因ウイルスです。

子供の時に水疱瘡(みずぼうそう)に罹ると、このウイルスは神経に潜伏することで知られています。
その後、通常は何の悪さもしませんが、生活の不摂生やストレスなどで免疫力が下がると再活性化され、神経を攻撃して皮膚症状を発現させます。これが帯状疱疹です。

症状は、皮膚にポツポツとした水疱を生じ、チクチクとした刺すような痛みを発生させます。
帯状疱疹は稀に繰り返す方もいますが、一度起これば再発しないのが普通です。
そして抗ウイルス薬の使用によってウィルスはほとんど消失し、皮膚のポツポツは消えていきます。

しかし、帯状疱疹による皮膚症状が改善した後に、神経痛のみが残存することがあります。
この状態を帯状疱疹後神経痛といい、これが発症すると長い人だと一年以上は眠れないほどの痛みが続きます。

帯状疱疹後神経痛の痛みは特徴的で、衣類が擦れたり、冷たい風が当たったりしただけで強い痛みが起こります。
特に、痛みや痺れによって眠れないため、体力の消耗が激しく、痛みの軽減をより困難にさせる悪循環に陥ります。
さらに、徐々に気力も失われていくので、うつ状態になっていく人もいます。
通常は1〜3か月、長ければ1年以上は、この痛みの症状が持続します。
高齢の方であるほど発症しやすく持続しやすいと言われています。

帯状疱疹による神経痛と漢方・鍼灸の効果と治療のポイント

①漢方・鍼灸の効果

実は帯状疱疹後神経痛は東洋医学的治療で比較的容易に改善します。
鍼灸と漢方を併用すると確実に短期間で痛みを消失できます。
帯状疱疹の原因ウィルスに対しては抗ウイルス薬の使用がおすすめですが、残存する神経痛に対しては漢方と鍼灸を組み合わせた治療を第一選択にした方が確実です。

②治療のポイント

ポイント①帯状疱疹後神経痛の痛みとしびれは、血行を促すこと

神経は細い神経細胞が束(たば)になって膜で覆われた構造をしています。
そして、その束に血管が並走することで神経を構成しています。
神経はこの並走する血管から酸素や栄養を受け取ることで正常に働きます。
さらに神経の周囲には筋肉があり、この筋肉も筋中を走行する血管から栄養を受け取ることで柔軟性を保ちます。

帯状疱疹ウィルスが増殖する感染部位の拡大を抑えるため、反射的に血管を縮めます。
するとたちまち血流障害が起こり、筋肉や神経に栄養が行き届かなくなります。
そのため、筋肉は柔軟性を失い硬くなり、動きにくくなった筋肉によって神経を圧迫します。
この圧迫と神経への栄養不足が神経本来の機能を低下させます。
この機能低下を痛みの電気信号として脳が教えてくれます。

神経の痛みやしびれがずっと残ってしまう理由は、ウィルスがいなくなった後も続く血行障害がその大きな要因の一つです。

血行を促すと、筋肉や神経に栄養が行き渡り、正常な機能に戻します。
そうすると、機能が元通りになった段階で、脳が痛みの電気信号を発しなくなります。

ポイント②:血行改善の原因を東洋医学的な診断が必要不可欠

ただし、血行が悪いと一口に言っても、具体的に東洋医学的病態は人によって異なります。

例えば漢方薬を構成する生薬であれば、
桂枝(けいし)、川芎(せんきゅう)、香附子(こうぶし)などどんな気剤(気の巡りを良くする薬)が良いか?
当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、紅花(こうか)などどんな血剤(血の巡りを良くする薬)が良いか?
蒼朮(そうじゅつ)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)などどんな利水剤(水の巡りを良くする薬)が良いか?

例えば、鍼灸のツボであれば、
どの筋肉が硬くなっているかな?
どこのツボが効果的かな?
歩行や座っている姿勢は不自然な動きはないかな?

などのように一つ一つの生薬やツボにそれぞれの使い方があり、それぞれに適応する血行障害が異なってきます。
それを見分けて、使い分ける必要性があります。

帯状疱疹による神経痛の症例

60代 女性。2022年秋来店。

疲労が蓄積していたある日曜日の夜に激痛。
夜間救急で受診、レントゲンとCTなどの検査で痛みの原因は不明。
その日は鎮痛剤を処方してもらい帰宅。

翌日月曜日、右腹部にボツボツがあり帯状疱疹を疑って皮膚科を受診。
帯状疱疹の確定診断により抗ウィルス剤と鎮痛剤(NSAIDs)、胃薬を処方してもらった。
抗ウィルス剤は服用できたが、鎮痛剤(NSAIDs)は胃痛が辛いので服用できなかった。

激痛が続くのでボルタレン坐剤(鎮痛剤)を入れ、夜は少しだけ眠れる。
坐薬の使用頻度を上げることはできないので日中は我慢し、就寝前のみ坐薬を使う生活で4日ほど経過。
さすが痛みを我慢できず当院へ来店。

距離があるので、通院困難のため漢方の煎じ薬のみで治療を開始。
漢方薬開始後、3日以内で痛みは引いてきた。
念の為の2週間分服用してもらい、治療は終了。

痛みの軽減に漢方治療のみで対応(考察)

今回は、漢方薬の煎じ薬を使わせていただきました。
保険診療内扱うエキス漢方もありますが、効果が弱いのでエキスは使いませんでした。
通常、1〜3ヶ月程度かかる治療が漢方薬のみでスピーディーに治った理由は2つ考えられます。

①東洋医学への移行早かったこと

モタモタしていると疼痛部位をカバーする代償反応で筋肉の固縮が起こります。この凝り固まった筋肉を緩めるのに漢方薬だけでは時間を要するので、鍼灸治療が必要不可欠になります。今回は早急に相談いただいたので、その凝りを起こさずに対応できたことが漢方治療のみでうまくいったのではないか、と思いました。

②鎮痛剤(NSAIDs)を1日3回服用しなかったこと

鎮痛剤(NSAIDs)の連続した服用は痛みの原因物質を止める反面、血管を狭くして、血流を低下させます。それによって神経や筋肉への栄養が滞り、正常に機能しなくなります。そのために筋肉の柔軟性を低下させて、筋肉の凝りを誘発させます。この凝りが痛みの回復を遅らせますので、今回は鎮痛剤(NSAIDs)の連服がなかったので、筋肉強い凝りがなかったので、漢方治療のみで回復したと考察しました。

結果的に早急な痛みの軽減につながりました。
高年齢であっても適切に対処すると痛みの早期軽減に繋がります。
ですので、我慢せずに是非すぐにご相談いただけると幸いです。
帯状疱疹による痛みの対応はスピード勝負になりますので是非ご参考にしてください。