胃酸を抑える薬を服用しているにもかかわらず、
胃の痛みやムカムカ、逆流するような不快感が続いていた方から
ご相談をいただきました。
今回、私どもが以前から常備薬としてご提案していた漢方薬を
1回服用されたところ、翌日には胃痛が改善したとの
ご報告をいただきました。
この症例でお伝えしたいのは、単に漢方薬を服用して
胃痛が改善したということではありません。
胃酸を抑えることだけが、胃痛の治療のゴールではないこと。
そして、自分の身体に合った漢方薬を、
普段から備えておくことの大切さです。
胃酸を抑える薬を飲んでいても、胃が痛い
今回の方は、胃痛やムカムカ、逆流するような不快感が現れ、
食欲も落ちていました。
お話を伺うと、食生活の乱れや疲労、ストレスなどが
重なっていたようです。
すでに胃酸を抑える薬を服用されていましたが、胃痛は続いていました。
ランソプラゾールやエソメプラゾールのような
PPI(プロトンポンプ阻害薬)、
ガスター(一般名:ファモチジン)のようなH2ブロッカーは、
胃酸の分泌を抑える薬として広く使われています。
しかし、私どものもとには、こうした胃酸を抑える薬を
服用していても、胃の痛みが続くというご相談が
数多く寄せられています。
中には、胃カメラで明らかな異常が見つからないにもかかわらず、
胃痛が続いている方もいらっしゃいます。
胃酸を抑える薬は大切な治療手段ですが、
胃の痛みには胃酸以外にもさまざまな要因が関わります。
実際に私どもの臨床でも、胃酸を抑える薬を使用せず、
鍼灸や漢方によるサポートを通して
胃痛が改善していくケースを経験しています。
もちろん、胃酸を抑える薬が必要な病気もあり、
服用中の薬を自己判断で中止してよいという意味ではありません。
大切なのは、胃酸を抑えること自体を目的にするのではなく、
胃の痛みを改善し、その方が安心して日常生活を
送れるようになることです。

なぜ、その方に合った漢方薬を選べたのか
胃の不調に用いられる漢方薬には、数多くの種類があります。
私どもが選択肢として考える処方だけでも、
20処方以上あります。
しかし、胃が痛いからといって、
その中から一般的に胃薬として知られている
漢方薬を選べばよいというわけではありません。
同じ胃痛でも、その背景にある身体の状態は
一人ひとり異なるからです。
私どもでは、問診や身体の状態、生活習慣、
これまでの経過などを踏まえ、
その方に合った漢方薬を検討しています。
今回の方も、以前から継続してご相談いただいていた方でした。
普段から身体の状態を確認する中で、
私どもが着目していたのは、
胃そのものの不調だけではなく、
胃を取り巻く神経や自律神経のストレス
でした。
胃の働きは、自律神経とも深く関係しています。
そのため、今回の方には、胃の症状への対応に加えて、
自律神経の働きを整え、神経性の緊張やストレスを
和らげることを意識した生薬を含む漢方薬が
適していると診立てていました。
ニュースキャンは補助的な指標の一つ
また、私どもでは東洋医学的な視点から
身体の状態を考える際に、
ニュースキャンから得られる情報も
補助的な指標の一つとして活用しています。
今回も、普段からの問診や身体の状態、
これまでの経過などと併せて参考にしていました。
ただし、ニュースキャンを受けなければ
漢方薬を選べないということではありません。
問診や身体の状態から漢方薬をご提案することもあります。
今回の胃痛が起きてから慌てて選んだのではなく、
普段からその方の身体の傾向を把握していたからこそ、
必要なときに使える漢方薬を、
以前から常備薬としてご提案していたのです。
漢方薬を1回服用。翌日には胃痛が改善
今回、胃痛のご相談をいただいた際、
以前からご提案していた漢方薬が、
ご自宅に残っていることが分かりました。
そこで、その漢方薬を服用していただくよう
ご案内しました。
その後、ご本人から、1回服用した翌日には
胃痛が改善したとのご報告をいただきました。
今回の胃痛に対して、漢方薬を何日も
飲み続ける必要はありませんでした。
もし、ご自宅にその漢方薬がなければ、
あらためて薬を探したり、購入したりする
必要があったかもしれません。
しかし今回は、以前から備えていたことで、
すぐに対応することができました。
※これは一人の方の症例であり、
すべての胃痛が同じ漢方薬で改善するという意味ではありません。
また、今回の改善が漢方薬の服用だけによるものかどうかを、
この経過のみで断定することはできません。

今回の症例から考えたこと ― 常備薬の大切さ
常備薬は、風邪薬だけではありません。
私どもでは、普段からご相談いただいている方に対して、
その方の体質や身体の傾向、
これまでの不調の現れ方を考えながら、
ご家庭に備えておくとよい漢方薬を
一つひとつご提案しています。
風邪薬であれば、風邪の段階や身体の状態に合わせて、
少量ずつ複数の種類を準備しておくことが
役立つ場合があります。
一方で、今回のように、その方が繰り返しやすい
不調に備えるための漢方薬もあります。
胃痛だから胃薬。
頭痛だから頭痛薬。
そのように症状だけで薬を選ぶのではなく、
普段からご自身の身体の傾向を知り、
どのようなときに、どのような漢方薬が
必要になるのかを理解しておくことが大切です。
初めてご相談いただく方には、
まず現在の症状や身体の状態を詳しく伺う必要があります。
しかし、日頃からご相談いただいている方であれば、
これまでの経過や体質を踏まえ、
その方に必要と考える常備薬を
あらかじめご提案することができます。
今回の方も、以前から漢方薬を手元に備えていたことで、
胃痛が現れたときにすぐ対応することができました。

学んで育てる、おうちの薬箱
私どもが目指しているのは、
ただ漢方薬をお渡しすることではありません。
ご自身やご家族の身体について少しずつ理解を深め、
必要なときに適切な対応ができるようになること。
そのために、普段から相談できる関係を大切にしながら、
一人ひとりに合った常備薬をご提案しています。
不調が起きてから慌てて薬を探すのではなく、
不調が起きる前から、
自分の身体に合った薬を準備しておく。
そうした備えが、体調を崩したときにも
早く日常生活へ戻るための助けになることがあります。
自分の身体に、何を備えておくべきなのか。
その答えは、決して全員同じではありません。
これからも私どもは、皆様と一緒に、
ご家庭の薬箱を育てていきたいと考えています。
よもぎ鍼灸院の鍼灸治療とニュースキャンについて
よもぎ鍼灸院では、鍼灸治療と
ニュースキャンセラピーを組み合わせたコースも
ご用意しています。
私どもでは、問診や身体の状態を踏まえた
東洋医学的な診立てを大切にしながら、
必要に応じてニュースキャンの情報も参考にしています。
ニュースキャンセラピー追加コース
鍼灸施術料 + 2,500円(税込)
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