〜〜衛生学と栄養学の壁〜〜
私たちの健康を支える水について考える際、私たちは主に二つの科学的観点に頼ります。
一つは「衛生学」、水が安全であるかという側面。
もう一つは「栄養学」、水に含まれるミネラルや栄養素が体にどう働くかという側面。
これらは公衆衛生上、非常に重要な基礎知識です。
しかし、現代社会の複雑な健康問題の多くは、この従来の理論だけでは解決が難しいという現実があります。
例えば、「衛生学的に完全にきれいな水」に「栄養学的に完璧なサプリメント」を溶かして飲んだとしても、そう単純に健康問題が解決するわけではありません。
この事実は、私たちが水の力、そして細胞レベルの生命の仕組みについて、まだ何か大切な要素を見落としているのではないかという疑問を生じさせます。
私たちが注目したその要素こそが、”電子の力”でした。

1. 生命の設計図を守る:アンフィンセンのドグマ
見落とされがちな「大切な要素」のヒントは、生命を支えるタンパク質の機能にあります。
1972年にノーベル化学賞を受賞したクリスチャン・アンフィンセンによるアンフィンセンのドグマという学説は、
「タンパク質がどのような立体構造を取るか(形)は、その設計図であるアミノ酸配列だけで決まる」
というものです。
この学説で非常に重要になるのは、
タンパク質は設計図通りの正しい立体構造をとらなければ、体内で期待される機能を失ってしまう
という事実です。
つまり、私たちの細胞の働きを維持するためには、
タンパク質の正しい立体構造を常に保つこと
が大前提となります。
〜参考文献①〜
・論文タイトル:Studies on the reduction and re-formation of protein disulfide bonds.(タンパク質のジスルフィド結合の還元と再形成に関する研究)
・著者:Christian B. Anfinsen and Edgar Haber(クリスチャン・B・アンフィンセンとエドガー・ハバー)
・掲載誌:The Journal of Biological Chemistry(生物化学ジャーナル)
・発表年:1961年
・論文リンク:https://www.jbc.org/article/S0021-9258(18)64177-8/pdf
〜参考文献②〜
・アンフィンセン博士がノーベル賞を受賞した際に行ったノーベル講演(1972年)の記録
「THE FOLDING OF PROTEIN CHAINS」:https://www.nobelprize.org/uploads/2018/06/anfinsen-lecture.pdf

2. 正しい構造に不可欠な「電子のボンド」
では、たんぱく質の設計図通りの正しい立体構造を、細胞が維持するために何が必要なのでしょうか?
それは、電子(e−)です。
タンパク質の構造は、電子の受け渡しによって生まれる微細な電気的な結合、いわば「ボンド(つなぎ合わせる役割)」によって固定され、安定します。
ところが、細胞環境が酸化状態、すなわち電子を奪われ欠乏している状態になると、このボンドが不安定になり、タンパク質は立体構造を崩してしまいます(変性)。
構造を失い機能不全に陥ったタンパク質が増えることは、体内の不調の大きな原因の一つです。
この理論から、細胞の機能を維持するためには、電子の供給(還元力)が不可欠であることが示唆されます。

3. 水素:原子の最小単位が生む可能性
電子が生命維持に不可欠なのは明らかになりましたが、電子は単体では安定して存在できないため、体内に届けるための媒介物質が必要です。
その理想的な「運び屋」として注目されるのが、水素(H)です。
水素は、周期表で最も小さく、原子量が最小の物質です。
この極めてシンプルな構造とコンパクトさこそが、その役割を決定づけます。
水素を媒介とすることで、従来の物質では浸透しづらかった脳や毛細血管など、体の細部まで効率よく浸透し、電子を届けることが期待できます。
この「運び屋」である水素の仕組みを利用することで、酸化によって機能不全に陥っていたタンパク質を、再び活性を持った状態に戻す可能性が生まれるのです。

4. ORPメーターが示す水のポテンシャル
ORPメーターは、このような細胞レベルの化学反応をサポートする水のポテンシャル(潜在能力)を測る、一つの貴重な手がかりとなります。
ORPメーターの測定は、水の持つ電子の力と、運び屋の量という二つの重要な要素に注目しています。
1、水の電子のポテンシャル
酸化還元電位(mV)という単位で、水が「電子を与える勢い」を持っているかを計測します。
2、運び屋の量
溶存水素量を同時に測定することで、電子を体の隅々まで効率よく媒介できる水素がどれだけ含まれているかを把握します。
ORPメーターの示す数値は、水が持つ健康へのアプローチの「可能性」を可視化するものです。
このツールは、従来の衛生学や栄養学の知見と組み合わせ、総合的に水の質を理解し、健康へのアプローチを深めるための一つの手段になります。

最後に:科学の奥深さと面白さを体験してみませんか
今回ご紹介したORPと電子の理論は、分子生物学や量子力学に基づいたアプローチですが、科学の世界にはまだ解明されていない謎が数多く存在します。
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