・生理時はロキソニンが欠かせない
・イヴを飲んでも生理の時は、腹痛や頭痛に耐えられない
・鎮痛剤を飲んでも生理の時は体調が悪くて、全く仕事ができない
・生理痛が耐えられないのでホルモン剤を飲んで凌いでいる

こんな悩みを持っている方が当店にはよくご来店されます。

でも、昔は鎮痛剤やホルモン剤が存在しなかっただけではなく、
生理痛で悩む人すら居ないのが普通でした。

では、日本人がどうしてこんな状態になっているのでしょうか。
ロキソニンやホルモン剤が悪いからでしょうか〈薬の毒性の問題〉
食べ物が悪いからでしょうか〈食の問題〉
政治や歴史が悪いからでしょうか〈歴史的背景の問題〉
いろんな角度からたくさんの答えを導き出せますが、
今日は前回の記事(下記のリンクあり)を基にして

・同病異治(どうびょういち)の必要性・意義

について薬の専門家であり、治療家としての視点から考えてみました。

今現在、
・生理痛、子宮や卵巣などの婦人科系トラブルを抱えている方
・婦人科系トラブルで悩んでいる家族やご友人がいる方
・西洋医学だけではなく東洋医学に興味がある方
・当店で東洋医学の治療を受けてみたい方
はぜひ最後までご覧ください。

また、前回の記事をまだご覧になっていない方は、
下記のリンクより記事を読んでから今回の記事を読むとより理解が深まるかと思います。

 

〜〜〜〜〜目次〜〜〜〜〜
1、同病異治(どうびょういち)と同病同治(どうびょうどうち)
2、ホルモン剤と鎮痛剤の乱用は同病同治の典型例
3、治療とは同病異治を使いこなして治癒をサポートすること
4、まとめ)ホルモン剤や鎮痛剤が欠かせない婦人科系疾患への対応

1、同病異治(どうびょういち)と同病同治(どうびょうどうち)

 

前回の記事でお伝えした通り

同病異治(どうびょういち)とは、”病気の深さ”を見極めて適切な治療を施すこと

であるとお伝えしました。
でも、”備えあれば憂いなし”という言葉があるように、

・”病気の深さ”に関係なく、常に同じ治療(=深い時に使う治療)を行う

つまり、

・同病同治(どうびょうどうち)を常に行っている

と、生態系はどうなっていくのでしょうか。
結論から言うと、『抵抗力』を失っていきます。

前回の記事と同様にザリガニを例に考えてみましょう。
外来種のザリガニが入ってきたら”病気の深さ”に関係なく、
すぐに殺処分をするという対応をしたとします。
もちろん1匹も残らず殺してしまうので、
日本ザリガニにとっては住みやすい環境ではあります。

ですが、その環境で育ってしまった日本ザリガニは、
国外から来るザリガニと争うことを知らないので、
外来種のザリガニに対応しきれず、
もしもの時に日本ザリガニはあっという間に絶滅してしまいます。

このようにある程度の負荷に耐えられるように常に準備しておくことは、
厳しい大自然を生きる上でとても大切な技術になっていきます。

自然は、いつまでも人間の手を借りて生きていけるような動物園ではありません。
そのことを深く理解してザリガニ達のサポートをしてあげながら、
日本ザリガニの自立する力を育む事も大切ではないでしょうか。

2、ホルモン剤と鎮痛剤の乱用は同病同治の典型例

 

では、このザリガニの例を人間の生態系に置き換えるとどうなるでしょうか。
これも前回の記事に当てはめて考えてみましょう。

・ホルモン剤:ホルモン(=体内の情報を伝える物質)を強制的に止める薬
・鎮痛剤:プロスタグランジン(=体の痛みの情報を伝える物質)を強制的に止める薬

これらの薬の共通点は”強制的に止める”と言う点です。
この”強制的”という強い作用を持っていることから
漢方治療でいう和法に近い治療技術と言えます。

ちなみに汗法という治療技術は西洋薬では出せない治療技術であり、
漢方や自然療法にしかできない特別な治療技術である事から
後世に語り継ぐべき大切な治療技術ではないか、と考えています。

話を元に戻しますが、手軽に入る鎮痛剤やホルモン剤は和法と近い治療技術と言えます。
そして、頭痛や生理痛など多少の痛みで鎮痛剤やホルモン剤を常用をしてしまう事は、
”病気の深さ”を考慮しないで同じ治療を行ってしまう同病同治(どうびょうどうち)の典型例になります。

同病同治(どうびょうどうち)を繰り返すと、日本ザリガニと同じように
人間の生態系の”抵抗力”を落としてしまう原因となり、
冒頭で申し上げたような痛みに苦しむ人を増やす原因になってしまいます。

つまり、こういう日本人が増えてしまった原因の一つには、
我々治療家が治療する技術・知識の低下にも問題があるのかも知れません・・・・。

3、治療とは同病異治を使いこなして治癒をサポートすること

 

これらのことを踏まえて我々治療家がどうあるべきなのか、もう一度考えてみました。
多くの人が知っているとは思いますが、生態系を作り上げる事は簡単ではありません。
木が1本育つのに何十年もかかるように山や川が生い茂るのにも長い年月がかかります。
この作り上げるのにとてもとても大変な生態系を破壊する事は一瞬である事は言うまでもありません。

破壊することは簡単ですが、持ち上げる事は大変な作業になりますので、
この持ち上げる作業を一緒に歩きながからサポートするのは治療の基本ではないでしょうか。

・治療とは何か?

・治療とは・・・・

『適材適所で各々の階段を用意してあげることで壊れてしまった人間の生態系を元に戻すお手伝いをすること』

なのではないでしょうか。

もちろんその主役は体の生態系が壊れてしまった人=患者様・本人であり、
そして我々治療家はその過程で適材適所で治療技術を選択し使いこなして、
壊れた人間の生態の修復をサポートする脇役であること
を深く理解しないとしないといけない、と考えてみました。

4、まとめ)ホルモン剤や鎮痛剤が欠かせない婦人科系疾患への対応

 

現在、ホルモン剤や鎮痛剤を常用している人が当店にご来店したとします。
だからといってすぐにホルモン剤や鎮痛剤をすぐに服用中止してもらう事はないです。

なぜなら、
鎮痛剤やピルを使って痛みを止めたりする服薬の過程は、
治療における大切な階段の1つと考えているためです。

ですが、その過程は長い治療の階段のたった一段を駆け上がっただけに過ぎません。
ですので当店ではそれを踏まえた上で、ゆっくりと1段ずつ階段を踏みしめながら、
最終的にホルモン剤や鎮痛剤をなくても過ごせるような体作りのサポートしております。

もちろん人によっては踏みしめる階段の高さや弾数は異なりますので、
その高さや段数に合わせて多彩な治療を提供できるよう、
我々も日々レベルアップし、治療家としての階段を駆け上っております。

治療を受ける側と治療を施す側がお互いに1段ずつ階段を駆け上がることで、
学び合える対等な関係で居ることが何よりも幸せなのかもしれません・・・。