50代 女性。
開院して間もない2021年1月頃。
通院期間:約1年、治療はニュースキャンのセラピーのみ。

来院3年前に右手のバネ指の診断で整形にて手術。
しかし、1年もしないうちに再発。
手術から翌年左手もバネ指になり、両手に痺れの症状あり。
手術しても良くならないのでもう手術は受けたくないのこと。
西洋薬を飲むのが嫌で当院にてニュースキャンで治療してほしいと来院。

全身所見:五十肩のように肩が上がらずに痛みがあり。
病院の定期検査を行なっている異常な血液データはなし。
サプリメントを5種類ほど自己流で飲んでいる。
薬はアレルギー薬を皮膚科でもらって服用中。

当院の治療の希望としてはニュースキャンのみで鍼灸治療は希望していなかった。
当時は漢方薬の提携も行なっていなかったので、治療はニュースキャンのセラピー機能のみで対応。

2021~2022年に月一回のペースで通院して経過観察。
一時的に痛みは和らいでいくが、次来院するまで痛みは再発。
中指と薬指に強く痺れの症状が出ていました。
その後は通院を終了してしまいした。

漢方処方からバネ指の病態を読み解く

著書『山本巌の漢方医学と構造主義〜病名漢方治療の実際〜坂東正造 著』には次の様に記載されています。

『腱鞘炎、弾撥指(=バネ指)には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)を用いよ。弾撥指(=バネ指)も、その病態は瘀血(おけつ)が関与している。このため、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という漢方薬がよく奏効する。』

この瘀血(おけつ)という言葉は東洋医学の用語で、”血液が汚れいて、血液やリンパなどの体液の循環が悪くなっている”こと意味しています。
西洋医学で言われている血の塊が血管に詰まる血栓とは少し意味合いが違いますのでご注意ください。

この引用文を要約すると、ばね指(弾撥指)は”血液の汚れ”が強く関与している、ということを意味しています。
したがって、その”血液の汚れ”を取り除くために桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という漢方薬を使いなさい、という意味を示しています。
では、どんな汚れなのか?という疑問を桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という薬を分解して考察してみます。

桃核承気湯という薬を因数分解してみる

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という漢方薬は5つの生薬から構成されいます。
→桃仁、桂枝、甘草、芒硝、大黄

①大黄(だいおう)と芒硝(ぼうしょう)
漢方を学んでいくと必ず『〜〜承気湯(じょうきとう)』という名前に遭遇し、これをまとめて”承気湯類(じょうきとうるい)”と呼びます。
例えば、大承気湯(だいじょうきとう)、小承気湯(しょうじょうきとう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)などがあります。
”承気湯類”は”大黄(ダイオウ)”と”芒硝(ぼうしょう)”という生薬を中心にした生薬構成で、”血液の汚れ”でエネルギー渋滞が発生したために発生した”胃腸の中の熱”を取り除き胃腸の働きを取り戻す瀉下【しゃげ】作用(=便を出す作用のこと)があります。

・大黄、芒硝の作用
→瀉下作用により”血液の汚れ”を除いて、胃腸の働きを正常化する作用があります。熱を除去するので、体を冷やす作用があります。
→生理反応だけをみると、ただの”下剤”です。

②桃仁(とうにん)
桃核承気湯の主役は『桃』という字が入っているのでもちろんこの『桃仁(とうにん)』です。
『仁(にん)』というのは”種”を意味しています。
例えば、杏仁(きょうにん)は”アンズの種”、麻子仁(ましにん)は”麻(=大麻)の種”です。
この桃の種を一度煎じたことのある人ならわかりますが、煎じ薬が黒く濁った状態になります。
この正体は、種の油です。実は、この種の油を利用して、体の中の余分な油をオイル交換をする働きや腸内で便の滑りをよくする働きがあります。

・桃仁の作用
→血腫、腫瘤等の原因となる”血液の汚れ(=油性)”をオイル交換作用によって除去する作用があります。

【まとめ】
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、”体に含まれる余分な油分”によって起こる”血液の汚れ”を排便させ綺麗にする作用がメインになります。

辞めきれなかった仕事前後のお菓子

では、症例の患者さんは、本当に”血液の汚れ”はあったのでしょうか。
治療中にどんな問診のやり取りがあったのでしょうか。

当店では、必ず食事指導をベースに治療を進めていきます。
それは、病気の再発を防ぐこと、そして治療スピードが格段に上がり、治癒の成功率も上がります。
上記の患者さんと次のような会話がありました。

スタッフ:『ニュースキャンの画像からは胆嚢という臓器への負担があります。精神的な怒りを生み出す臓器ですが、ここへ負担が強い人はお菓子や出来合いのお弁当に含まれる油が原因になることが多いですので、控えめにすることをおすすめします。』

患者:『お菓子を食べたいから毎月治療に来ているんだよ?お菓子はやめれない

と言われ、指導の甲斐もなく治療は終わってしまいました。

非常に残念なケースですが、お菓子の問題点について理解してもらえなかったので、今一度整理しみました。

【お菓子の弊害】

①トランス脂肪酸
お菓子の最大の問題点は、このトランス脂肪酸です。このトランス脂肪酸の蓄積が、パーキンソン病や認知症などの神経性疾患、鬱や統合失調症なの精神疾患、バネ指・リウマチ・偏頭痛などの疼痛疾患などの原因です。トランス脂肪酸の摂取を辞めるだけ4割の病気が防げます。ですが、多くの人はこの無色透明、無味無臭のトランス脂肪酸に気づくことはありません。だからトランス脂肪酸が何のことか、意味が分からない人がたくさんいます。

②砂糖
これは大脳の快楽報酬系が強く活性化され、砂糖がきれると精神状態がおかしくなり異常な怒りを覚え情緒不安定になります。子どもがお菓子ももらえないので怒った様子になるのは、これが原因です。この砂糖の依存性は、麻薬や覚醒剤に匹敵しますので、麻薬や覚醒剤の依存にさせたくないのであれば、子どもから砂糖を排除させることが治療の第一歩です。

”生きたい”や”産みたい”という願いに寄り添う

当店なりのバネ指の治療について整理します。
当時はまだ漢方薬を治療の中に取り入れることができませんでした。
ですが、この教訓から漢方薬を治療へ取り入れることにしました。

・正しい食事をして、トランス脂肪酸を体に入れないこと
・正しい漢方薬を投与することで、体に溜まりに溜まった痛みの原因のトランス脂肪酸を除去すること
・そして、その状態のチェック機能としてニュースキャンを使うこと

が、当店なりのバネ指の治療方法になります。
もちろんその治療による治癒経験も積ませていただきました。

人生には失敗はつきものです。

知らず知らずのうちに病気を引き起こす食品を食べている人はたくさんいます。

例えば・・・
・知らず知らずのうちにその食害により子どもを産めない体になっている人
・知らず知らずのうちにその食害により癌や難病に侵され日常生活も送れない体になっている人
・知らず知らずのうちにその食害により鬱になり高校や大学に通えなくなった人
・知らず知らずのうちにその食害により統合失調症になり社会生活を送れなくなった人
など、当店にはそんな本当に困っている人達が訪れます。

それでも”生きたい”と”産みたい”と強く願う人達が訪れます。
当店はその”生きたい”や”産みたい”と強く思う気持ちに寄り添い、日常を取り戻すサポートしています
もしご興味がある方は是非一度足を運んでみてください。